冷たい野菜の感触を

熱のある手で冷たい野菜をことこと切るのは気持ちがよい。
わたしは病気のときほど料理に専念する気がする。そんな時のメニューは、だいたいは根菜と葱類とお豆腐とお味噌でしたてたうどんやおじやだ。こんこんと寝るしかできないときも、食べなきゃ と思う。その度に、今ある食材を考え、ことこと切ざむ手が思い浮ぶ。
誰かがいれば頼むけど、基本的な考えとして食べ物を用意すると頭にあるのは女だからかもしれない。誰かに作ってもらいたいとはさほど思わない。いつでも日常に、ご飯を用意できることが当たり前で、そうでいたい。
会社が忙しすぎてスーパーが開いている時間に帰れなかった日が続いた頃、お店ももう終わりで、コンビニのお弁当で済ましてしまうしかなくて、そんな自分をなんて貧しいんだと思った。収入も安定もあるのに、この貧しさはなんなんだと。夕飯もまともに作れないこの状態は、いずれ慣れていくのだろうか、これが当たり前なのだろうかと思うとぞっとした。わたしはなぜか妙に、ご飯が大事だった。食べられないときがあったからなのか、そこに繋がるかわからないけど。病気の時などは普段よりむしろ作りたくなる。回復するにはそれで十分な気がする。
人といると、作る時間がもったいなくて外食はぐんと多くなる。それはとてもいい時間だし、楽しく食べられれば本当はなんでもいい。お弁当も外でや電車のなかでなら美味しく食べられる。でもあの時ぞっとした感触は、わたしには正しい。そうゆうのを見過ごさず、生活していきたいのかもしれない。
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by nemotyucac | 2006-09-16 18:05 | travel and stroll | Trackback

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