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ごはんの時間ですよ

すこし元気がないままとぼとぼ歩いていた。
喫茶店でのお茶や本屋散策の想像も、夕暮れ都会の坂道の途中ではなんの役にも立たなかった。そのあと少し遠征するつもりでいたが、多分それが気を重くしているのだ。
だから行くのをやめてしまった。ひとりの行動は簡単だ。
そして家に帰ってご飯を無性に作りたくなった。食事をしたいのではなく、ご飯を、作りたかった。
冷蔵庫を開けてあるものを。それからあたたかいものを。温まりたかったのでグラタンにした。丁寧にホワイトソースをつくり裏ごしし、ポテトとお豆腐とおもちときぬさやという珍妙な組み合わせの具材をしずめてたっぷりチーズでこんがり焼いた。それから根菜のスープを作った。作るとういう程でもない。が、作ってる途中から心がまるくなった。食後はからだもまるくなった。
ご飯で元気を取り戻したら空気も変わった。夜に突然の訪問者。空気が仲間を呼んでくれた。またご飯を作った。鍋とスパという珍妙な取り合わせを二人でつまんでぬくまった。

ご飯を作るのと、食事の時間が、生きてくうえで大切なものだと認識したのはなぜか最近のことだ。疲れてるのにつくるとか、コンビニ弁当に罪悪感があるとか、以前はなんだかうまくコントロールできなかった気がする。
今は疲れてるから作るに変わった。ゆっくりゆったり作ればいい。たのしければコンビニ弁当も美味しい。気持ちが、なにかをだめにするだけで、なにかをよくもしてくれる。それが自分を労るということなのだろうか。
外食も好きだけど、家でのちょっとすぐには食べられない調理時間を設けることの贅沢さに感動したり。食事やお酒の内容より、その「時間」に、中身があり内容があるのだった。当たり前のことだけどね。
by nemotyucac | 2006-01-23 03:56 | thinking

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